東海 も「ポケモンGO」って実際どんなゲーム? /歩きスマホが前提のゲーム「ポケモンGO」の“副作用”

( キャラクターの出現予想は? それは、位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」にあり!)

「ポケモンGO」って実際どんなゲーム?
 
 7月6日にスマートフォン用ゲームとしてアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでリリースされ、日本でのサービス開始も近日中とアナウンスされている『Pokemon GO』(Android/iOS)。任天堂の株価急上昇、先行して配信された海外での人気爆発ぶりなどが連日報道されているが、新聞やテレビなど国内の大手メディアでもゲーム内容を理解した上で紹介しているメディアは少ない。日本版の正式サービス前であり、国内でプレイする手段がないためそれも当然なのだが、日本では話題だけが先行し、さながら群盲象を評すという状況だ。当媒体(AUTOMATON)の別記事でも触れたようにデマや曲解、拡大解釈などが広まっても、大多数は実際のゲーム内容が知らないため、さらに憶測が憶測を呼ぶ形となっている。

 そこで本記事では、日本版公式サイトのほかにすでに配信されている海外版、また合わせて11日の12時ごろに数十分ほど遊ぶことができた日本版(関係者によれば誤配信とのこと)、そしてE3で行われた「Pokemon GO Developer Q&A」の情報をもとに『Pokemon GO』の実際のゲーム内容について、できる限り具体的に紹介していく。

 なお今回の内容は日本版正式リリース時、または今後のアップデートで変更される可能性があるので、あらかじめご理解いただきたい。また「Twitch」などのゲーム動画配信サイトでは、すでに海外勢が実際のゲームプレイの様子を配信しているので、実際のプレイ映像を見てみたいという人にとってはそちらもおすすめだ。

 それではまず、ポケモンやゲームに詳しくない人でも1分でわかるように、大づかみの内容から先に紹介していこう。

ひと言で言うと?
 

 
 位置情報を使ってスマホの地図上でポケモン、ゲットだぜ!


何をして遊ぶの?

 プレイヤーはポケモントレーナーとなって現実世界と対応したアプリ上のマップを移動。移動中にランダムに野生のポケモンが出現するほか、現実上の名所旧跡などが「ポケストップ」となっており、その近くに立ち寄ることで冒険に必要なものが入手できる。遭遇して捕まえたポケモンは強化、進化させることができ、鍛えたポケモンを使って各地にある「ポケモンジム」で他のプレイヤーが配置したポケモンと対戦。プレイヤーは赤青黄の3チームどれかに所属し、他チームのジム奪還、味方チームとの共闘も楽しめる。家から外に飛び出しポケモンを集めて、めざせポケモンマスター!


最低限知っておきたいこと

 基本プレイ無料。リリース当初は初代『ポケットモンスター赤・緑』(1996年)に登場したポケモン約150匹が実装されており、そのポケモンたちを集めるのが主な目的。ポケモンボールなど頻繁に使うアイテムは各地のポケストップに立ち寄ることで無料で入手可。一部アイテムは課金にて購入。入手手段が課金となるポケモンは現状いない模様。対応環境はiOS8.0以上、Android4.4以上。Intel製Atomプロセッサ搭載端末は非対応。タブレット端末の動作は保証外。

 ここからはさらに気になる細かいゲーム内容を、実際にプレイする人向けにお伝えしていこう。


『Ingress』と共通する部分、異なる部分

 『Pokemon GO』の開発会社、Nianticは位置情報ゲームの草分けである『Ingress』の開発元であり、世界各地に散らばるポケストップとポケモンジムもこの『Ingress』のポータル情報がもとになっている。ではどんな場所がポケストップとポケモンジムになっているかだが、『Ingress』のポータル申請のガイドラインでは「興味深いエピソードがある場所や、歴史的または教育的に価値のある場所/興味深い芸術作品や他では見られない建築/秘宝やその地域ならではのスポット/公共図書館/公共の礼拝所」とされており、日本の場合は神社やお寺、街角のオブジェ、変わった看板、駅や図書館などの公共施設が中心となっている。現状『Pokemon GO』から新たなポケストップ&ポケモンジムを追加申請する手段は存在しない。なお現実世界のどこが『Ingress』のポータルとなっているかは「Ingress Intel Map」からチェックできるので、自分の生活圏にポケストップがあるか気になる人は参照するのもいいだろう。また『Ingress』との大きな違いのひとつとして『Ingress』のように陣営に分かれてテリトリーを拡張し合うという要素は存在しない。

( キャラクターの出現予想は? それは、位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」にあり!)


プレイヤー登録
 

 
 プレイヤー情報はGoogleアカウント、もしくはポケモントレーナークラブのアカウントと紐付けされており、サインインの際はそのどちらかを使用する。プレイヤー名にはアルファベットか数字が使用可能。最初に性別、髪の色、肌の色、服の色などプレイヤーのアバターの設定を決め、チュートリアルでは初代『ポケットモンスター』で最初に選ぶフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメのどれかを捕まえてプレイ開始。ポケモンジムでのバトル(レベル5から解禁)は赤青黄の3チームで争うが、自分の所属チームを決めるのはプレイ開始時ではなくプレイヤーレベルが5になってからで、序盤は普通にプレイして、友人と相談してからチームを決めることもできる。なお開始時のボーナスで特別なキャラが手に入るようなシステムではないため、目当てのキャラを引き当てるまでインストールとアンインストールを繰り返すリセマラ(リセットマラソン)は『Pokemon GO』では意味をなさない

マップ

 2本の指でピンチアウトすることで拡大マップ、逆にピンチインすると広域マップとなる。広域マップの見下ろし視点が必ずしも万能なわけではなく、拡大マップは視点が下がって地平線方向の見通しがよくなるため、それぞれ使い分けると便利。マップはスワイプした方向に回転し、右上の方位磁石のアイコンをタッチすると、画面上が北になるように向きをリセットできる。画面左下のプレイヤーアイコンからプレイヤー情報、中央下のポケモンボールのアイコンからメニュー画面に移ることができ、右下の枠からは現在プレイヤーの近くにいるポケモンが確認できる。例えばマップの水辺にはみずポケモン、夜の時間帯にはズバットのような暗い場所に出現するポケモンが出やすいとされており、そうした地図上の情報によって出やすいポケモン、出にくいポケモンの傾向は存在するが、現バージョンでは「世界中のここだけにしか出ないポケモン」という種類はまだ確認されていない。ポケモンの分布についての仕様は明かされていないが「ここには必ずこのレアポケモンが出る」といった噂は現状かなり疑わしいため、注意が必要。


ポケモンゲット

 プレイヤーから一定範囲内にポケモンを感知すると野生のポケモンが出現。『Pokemon GO』では従来のシリーズのようにポケモン同士を戦わせHPを減らして捕まえるというルールではなく、プレイヤー自身が画面のポケモンボールをフリックし、ポケモンに投げつけて捕まえる。ポケモンの周囲にある円(ターゲットリング)は半径大→半径小と繰り返し収縮しており、円が小さくなったタイミングに合わせて投げることでゲットできる確率がアップする。ターゲットリングの色は捕まえやすさを示し、捕まえやすい順に緑、オレンジ、赤となっている。またボールを投げる前にタッチしたまま回すことでカーブボールを投げることも可能。カーブボールでポケモンをゲットすると獲得経験値に若干のボーナスがつく。ポケモンをゲットした際にはプレイヤー経験値のほかに強化用アイテムのほしのすな、ポケモンのアメが手に入る。また初めてゲットしたポケモンの場合、大量のボーナス経験値を入手する。一定時間経過するとポケモンに逃げられてしまうが、アイテム「ズリの実」を使用することでポケモンは逃げにくくなる。


AR機能

 ポケモンが出現した際にはカメラアイコンで手軽にスクリーンショットを撮影可能。実景をスマホの背面カメラで映しながらポケモンを捕まえる様子がクローズアップされているが、このAR機能は画面上でオンオフが可能。自室でポケモンと遭遇した際などプライバシーが気になる人も安心してスクリーンショットを残すことができる。

ポケストップ
 

 
 各地に点在するポケストップは、中央の写真部分をスワイプするとアイテムが入手可能。ポケモンボール各種、きずぐすり(HP回復)各種、げんきのかけら(戦闘不能回復)各種、ズリの実(ポケモン逃走確率減少)、ポケモンのたまご(孵化させてポケモン入手)などが手に入る。入手アイテムの種類はプレイヤーのレベル上昇に応じて増え、じょじょに上位アイテムも獲得できるようになる。ポケモンボールは課金してポケコインで買うこともできるが、ポケストップ1回あたり3個程度は手に入るので、課金が必須となるほど厳しい設定にはなっていない。同一のポケストップからアイテムを再び入手することも可能だが、その場合は4分から5分程度の時間を空ける必要がある。

ポケモンジム

 大型のポケストップのような形でマップ上に表示されているのが「ポケモンジム」。ジムリーダーがまだ誰もいない場合のみ白色となっているが、通常は赤青黄のどれかのチームカラーのジムとなっており、プレイヤーがジムリーダーとなって防衛ポケモンを配置している。ジムの色が自身と異なる場合はポケモンバトルを挑み、何度か勝利して相手ジムの名声ポイントを0にすることができれば、自分が新たなジムリーダーとして防衛ポケモンを配置することができる。新たなジムリーダーとなったプレイヤーはその場に残る必要はなく行動制限もないが、防衛ポケモンだけはそのジムに設置されているため連れ歩くことはできない。防衛ポケモンが何度か敗北し、別のプレイヤーがジムリーダーとなると手元に戻る。ジムが自身と同じチームカラーの場合はトレーニングバトルとなり、ジムの名声ポイントとレベルを上げることができる。チームの色分けについては家族や近所の友人など、同じポケモンジムを回れるプレイヤーがいる場合はやはり色を揃えたほうが共闘もでき防衛もしやすいが、あえて違う色のチームに所属してポケモンジムの争奪戦を楽しむのもまた一興。


ポケモンバトル

 ポケモンジムで行われるのがポケモンバトル。攻撃側のポケモンはプレイヤーが操作するが、防衛側はオートとなっており、防衛するジムリーダーのプレイヤーが操作することはできない。すべてのポケモンはわざを2種類持っており、通常のタッチで弱攻撃、ゲージが一定以上たまった状態で長押しして離すと強攻撃を繰り出せる。各わざにはポケモンシリーズおなじみのタイプも設定されており、相手ポケモンのタイプの弱点を突くことで効果的にダメージを与えることが可能。バトル中は左右にスワイプすることで相手の攻撃を避けることもできる。バトル開始時に選んだ控えのポケモンと入れ替えも可能。またバトルには2分程度の制限時間があり、その時間内にすべての防衛ポケモンを倒せなかった場合は敗北となる。

ポケモンの個体差

 各ポケモンの強さは、本作ではレベルではなくHP(体力)とCP(コンバットポイント)で表される。ポケモンのHPが0になるとそのポケモンはひんし(戦闘不能)となる。CPは強さの目安で大まかに言えば攻撃と守備の総合力。『Pokemon GO』では物理、特殊といった従来の細かなステータス分けもない(仮に存在してもプレイヤーからは確認できない)ので、単純にCPが高いほど強いと判断できる。同種類のポケモンにも個体差はあり、HPとCPが異なるほか、身長体重や覚えているわざも個体によって少しずつ異なる。また手持ちのポケモンの名前脇のペンのアイコンをタッチすることでニックネームもつけられる。

強化
 

 
 ポケモンのHPとCPをアップさせるには「強化」する必要があり、強化にはポケモンゲット時に手に入る「ほしのすな」と各ポケモンに応じた「***のアメ」(ピカチュウの場合は「ピカチュウのアメ」)がそれぞれ一定数必要となる。「ほしのすな」はどのポケモンにも共通して使えるが、「***のアメ」は同系統のポケモンを再度捕まえるか、ダブったポケモンを「博士に送る」ことで、お返しにそのポケモンのアメをもらって集める必要がある。

進化

 「強化」とは別に、ポケモンがより強い別種のポケモンへとグレードアップする「進化」が存在し、レベルを上げる代わりに『Pokemon GO』では「***のアメ」を消費して行う。進化には強化より多数のアメが必要となる。一例としてよく出現する「コラッタ」の場合、強化(1段階目)には、ほしのすな×200+コラッタのアメ×1だが、ラッタに進化させる場合にはコラッタのアメ×25が必要。進化前のポケモンより確率は低くはなるが、進化後のポケモンある程度の種類は通常出現する。最初にゲットすることになるフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメのいわゆる御三家も通常出現する模様。なおすべてのポケモンが通常出現するのか、あるいはイベント限定のような特別枠のポケモンが設定されているのか、特殊な進化をするポケモンがいるのかは現状明らかにされていない。


ポケモンのたまご

 「ポケモンのたまご」はポケストップから時々入手できる。たまごには2キロ、5キロ、10キロのどれかの距離が設定されており、孵化させるためにはアイテムの「ふかそうち」に入れ、その距離を移動することでポケモンが生まれる。アメリカ人プレイヤーが不慣れなメートル法を理解し始めたという話題は、このたまごの孵化までの距離がキロメートル単位で表示されるため。なお移動については徒歩、ジョギング程度の速度ならまったく問題ないが、車や電車など一定速度以上の速度では距離を稼いでも無効となる。なおプレイヤーはスタート時から「ムゲンふかそうち」というアイテムを1つ所持しており、これは無制限に使用できるが、同時に2つ以上のたまごを孵化させたい場合は課金アイテム「ふかそうち」を別途購入する必要がある。通常の「ふかそうち」には回数制限がある。


おこうとルアーモジュール

 おもに課金で入手するポケモン出現率アップアイテム。「おこう」を使うとピンクの霧のエフェクトが発生し、プレイヤー本人の周囲に30分間ポケモンが出やすくなる。「ルアーモジュール」はポケストップの空きスロットに差し込むことで使用し、桜の花びらのようなエフェクトが発生。そのポケストップ付近に30分間ポケモンが出やすくなる。ルアーモジュールは使用者以外に、ポケストップ近辺にいるプレイヤーは誰でも恩恵を受けることができる。『Pokemon GO』を利用して客寄せ、という海外ニュースは、このルアーモジュールをうまく活用したものだが、お店で客寄せしようと思ってもあらかじめ近距離にポケストップがない限りは不可能。『Ingress』でも言えたことだが通学や勤務先近くにポケストップがあったり、実家がポケストップに設定されているお寺だったりする人は、アイテムも回収しやすくてかなりラッキー。

ポケコイン
 

 
 スマホゲームにはおなじみの課金だが『Pokemon GO』では日本円でゲーム内通貨の「ポケコイン」をアプリ内で買い、そのポケコインを消費してアイテムを購入するという流れになっている。7月11日時点では100ポケコイン=120円。ポケコインの入手方法は課金のほか、各地にあるポケモンジムを防衛し続けることで防衛ボーナスとして一定時間ごとに少量手に入るようになっている。ポケコインは日本円に払い戻しすることはできない。

バッテリー

 スマホの位置情報を常に使ってプレイするゲームのため、バッテリー消費はやはり激しい。そのためモバイルバッテリーがあると心強い。またゲーム内にも「バッテリーセーバー」の機能があり、オンにしている間はスマホを下に向けると画面が暗くなるようになっている。このため常に画面を見ていなくてもしばらくは普通に歩き、ポケストップに近づいたり、ポケモンが出現してスマホ振動で通知が来たらプレイする、という遊び方ができるようになっている。別売りの「Pokemon GO Plus」がなくても、あらかじめ歩きスマホ対策が盛り込まれているのはやはり嬉しい点。


個人情報についての注意

 位置情報を使って、プレイヤーが徒歩で移動できる生活圏内でおもに遊ぶゲームのため、プレイヤー名は本名を避けたほうが無難。ポケモンジムのジムリーダーとして防衛している間は他のプレイヤーからも防衛プレイヤー名が見える形となっている。付近の表札などから住所を特定されたりしないよう、ゲームに本名を使いがちな年少者にはとくに注意が必要。
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参考

「ポケモンGO」って実際どんなゲーム?京都 VSOPも注目!
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米国でヒット! スマホでゲーム「ポケモンGO」  任天堂関連会社、アプリ配信

( キャラクターの出現予想は? それは、位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」にあり!)

任天堂の関連会社で人気ゲームソフト「ポケットモンスター」のブランドを管理するポケモン(東京都)は7月にも、スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」の配信を日米で始める。専用のウエアラブル端末の発売も予定している。

 ポケモンGOは、米グーグルから独立したゲームベンチャーのナイアンティック(カリフォルニア州)と任天堂が共同開発した。スマホのGPS(衛星利用測位システム)やAR(拡張現実)などの機能を活用する新感覚ゲーム。利用者は近所の公園などに出かけ、現実世界と連動してゲーム内に出現する各種モンスターを探したり、別の利用者と対戦したりして遊ぶ。

 身に着けて使うウエアラブル端末はモンスターが接近すると、光や振動で知らせる。端末でも簡単な操作が可能で、スマホの画面を見続けなくてもゲームを楽しめる。

 アプリは無料でダウンロードできる。ウエアラブル端末は1台3780円。

 ナイアンティック社は国内外で人気の位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」を開発した会社。任天堂とポケモン、グーグルの3社が昨年、最大3千万ドルを出資する方針を明らかにしていた。

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位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」

女性が安全&快適にIngress(イングレス)を楽しむための5つのポイント Google

京都 イングレス(Ingress)京都公式戦に5600人 仮想陣地争奪ゲーム

街を歩きながら陣取り合戦 「イングレスと街おこし」=モバイル・スマホ・ゲーム化


美観地区で“陣取り合戦” 岡山 倉敷 「Ingress(イングレス)」

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歩きスマホが前提のゲーム「ポケモンGO」の“副作用”は激しいものになりそうだ 7月20日

カラオケ、ヘッドホン・ステレオ、オセロ…。『20世紀なんでもかんでもベストテン』(池田良孝、橋本勝著)は、ミニスカートやクロスワード・パズルと並んで日本の商品も、20世紀のヒット商品ベストテンに選んでいる。

 ▼「ポケットモンスター(ポケモン)」が入らなかったのは、残念である。初代のゲームソフトが日本で発売されたのは、1996年だった。2年後アニメとして米国でテレビ放映されると、爆発的な人気を呼ぶ。その後テレビ放映された国は、90カ国近くに及んだ。

 ▼そのポケモンが、再び大変なブームを巻き起こしている。スマートフォンの画面を見ながら歩くと、街中に隠れている「ポケモン」が見つかる。「ポケモンGO(ゴー)」は、それを捕まえたり戦わせたりするゲームである。

 ▼米国で今月初めに公開されると、たちまち1日当たりの利用者が2000万人を超えた。日本でもまもなくサービスが始まる。米企業とともに開発した任天堂の株価は昨日、ゲーム公開前に比べて、2倍以上に跳ね上がった。
 

 ▼ポケモンといえば、日本でアニメを見ていた約700人の子供が発作を起こした騒動を思い出す。「ポケモンGO」の“副作用”は、さらに激しいものになりそうだ。なにしろ悪名高い「歩きスマホ」が前提となっているゲームである。米国では、スマホに気を取られての交通事故が続発している。ユダヤ人大量虐殺の犠牲者を慰霊するワシントンのホロコースト博物館は、展示物を無視してゲームに興ずる入館者に憤りを隠さない。

 ▼何が面白いのかさっぱりわからないが、国境を超えて若者を夢中にさせる魅力があるようだ。モンスターがその力を、世界中で頻発する紛争を鎮めるために発揮してくれないものか。

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